敏感肌は改善できる?刺激から守るスキンケアとメイク術

この記事の監修専門家 中根恵美さん

新しい化粧品を使うと肌にピリピリ刺激を感じたり、季節の変わり目に肌荒れしたり…。「もしかして私、敏感肌になったかも」と感じている方はいませんか?適切なスキンケアやメイクで、ゆらぎにくいすこやかな肌をキープしましょう。

敏感肌とはどんな肌?

実は「敏感肌」には、医学的な定義がありません。そのため、

  • アトピー性皮膚炎のように、重い皮ふ疾患がでている
  • 間違ったスキンケアによって、一時的に肌荒れやピリピリ感がでている

という人も含めて敏感肌と呼ぶことがあります。

どちらの場合も、健康な肌の人は気づかないような「ちょっとした刺激に過敏に反応して肌トラブルを起こす状態」を指すのが一般的です。化粧品や紫外線、ちり、ほこりなど、刺激要因は人によってさまざま。刺激を受けて炎症を起こし、赤みがでたりかゆみを感じたり、吹き出物ができたりします。

敏感肌の原因って?

敏感肌には生まれつきの肌質が影響しているタイプと、間違ったスキンケアでみずから招いているタイプの2種類があります。どちらの肌にも共通しているのは、角層のバリア機能が低下していることです。

肌表面の角層は、NMF(天然保湿因子)・セラミドなどの細胞間脂質・皮脂膜がバランスよくそろうことで、外界から肌を守る働きを担っています。これらが不足するとバリア機能が低下。外的刺激を受けやすくなります。つまりどちらのタイプであっても、角層のバリア機能を守り、補うスキンケアを行うことが大切です。

生まれつきの肌質によるタイプは対策が難しく、皮膚科での治療が必要なことも。しかし間違ったスキンケアで自ら招いているタイプは、スキンケアを見直すだけで肌にいい変化が感じられるはず。

特に年齢を重ねるにつれて敏感肌になってきた方や、季節によって一時的に敏感肌になっている方は、加齢による乾燥が大きく影響している可能性があります。さっそくスキンケアを見直して、ゆらぎにくいすこやかな肌を取り戻しましょう。まずは化粧品の選び方から紹介します。

ただし、

  • 目の周りと首だけ赤くなる
  • かゆくて眠れずかきむしってしまう
  • 少しかいただけで、皮ふからジュクジュクした液体がでる

などの症状がでている人は、早めに皮膚科を受診しましょう。

敏感肌に合ったスキンケア化粧品の選び方とは?

バリア機能が低下している敏感肌には「本来、肌に必要のないものは与えない」ことがポイント。低刺激処方の化粧品で、シンプルにケアしましょう。

低刺激処方のスキンケアを選ぶ

界面活性剤や合成香料、防腐剤などの添加物ができるだけ少ない化粧品がおすすめです。これらは健康な肌には問題がなくても、敏感肌の人には刺激になることがあります。ただし「無添加」といっても、すべての添加物がゼロとは限りません。何が無添加なのかチェックして選びましょう。

(無添加化粧品の真実について、詳しくは『乾燥肌が治らない3つの誤解!うるおう決め手はセラミド&オイルのシンプルケア』をご覧ください。)

アイテム数を減らしシンプルにする

乾燥しているからといって、あれこれ塗り重ねずシンプルにすることも大切です。たくさんの化粧品を使うということは、たくさんの成分に触れるということ。刺激を感じる成分にヒットする確率が高くなります。また何度も化粧品を塗ることで肌を摩擦し、刺激になることがあります。

敏感肌のスキンケアの基本を押さえよう

せっかく低刺激な化粧品を選んでも、使い方を間違ってしまっては本末転倒。肌をいたわるスキンケアをマスターしましょう。

洗顔・クレンジングのポイント

やさしい力加減ですばやく終わらせましょう。時間をかけすぎたりゴシゴシこすったりすると、肌を摩擦してバリア機能が低下しやすくなります。すすぎを含めてそれぞれ1分~1分半を目安に。熱いお湯は肌に必要な皮脂まで落としてしまうので、人肌程度のぬるま湯ですすぐのもポイントです。

保湿ケアのポイント

化粧水の後は必ず油分を補いましょう。皮脂が少なくバリア機能が低下している敏感肌は、化粧水で与えた水分がすぐに蒸発してしまいます。特に30代からは、皮脂の量だけでなく質も低下。皮脂膜がムラになり、さらにバリア機能が低下しやすくなります。
油分は皮脂膜の代わりになり、肌にラップをかけるように水分を閉じ込め、外的刺激からも守ってくれます。

保湿剤としてクリームや美容液を選ぶ方が多いと思いますが、天然のバリア機能となる「皮脂」に近い保湿剤をおすすめします。特に「植物オイル」は皮脂に組成が近いのが特長。肌によくなじみ、奥まで浸透するので保湿力が高く、バリア機能のアップが期待できます。複数の植物オイルをブレンドして、より日本人の皮脂に近づけたオイルもあります。

中でもおすすめのオイルは、美容液と美容オイルが1つになったブレンドオイル。

  • 1つで美容液・乳液・クリームの役割を担うので、シンプルケアが叶う
  • 乳液やクリームよりも油分の割合が多く、保護効果が高い

などのメリットがあります。
(美容オイルについて詳しくは『オイル美容の効果と選び方を徹底解説!使うべきメリットと気になるデメリットとは』の記事をご覧ください。)

UVケアのポイント

ノンケミカルの日焼け止めで、1年を通してUVケアしましょう。バリア機能が低下している肌は、紫外線の刺激を受けやすくなります。赤みやかゆみだけではなく、シミやシワの原因にもなるので、エイジングケアとしても大切です。

ただし敏感肌の人は、日焼け止めに含まれる「紫外線吸収剤」に気をつけてください。紫外線吸収剤は肌の上で紫外線を吸収し、化学反応を起こして紫外線の影響を和らげる成分。人によっては刺激を感じることがあります。

一方ノンケミカルの日焼け止めは「紫外線吸収剤」を含まず、「紫外線散乱剤」という粉体を使用。化学反応ではなく物理的に紫外線を跳ね返すので、刺激になりにくい成分です。

敏感肌の人は、日焼け止めの後につけるファンデーションにも注意しましょう。

敏感肌のメイクのポイント

敏感肌のベースメイクには、パウダータイプのファンデーションがおすすめです。リキッドタイプは液体の中に油や粉体を混ぜるために、界面活性剤が使われていることがほとんど。また水を含むので、防腐剤を含むものも多いのです。敏感肌の方にとっては、これらの添加物が刺激になることがあります。

パウダーファンデはそれらの添加物が少ないので、刺激になりにくいといえるでしょう。またクレンジングでサッと落としやすいのもポイントです。

スキンケアの基本を見直せば、バリア機能が整って刺激を受けにくい肌に。肌質だから仕方ない…とあきらめずに、いたわるケアを始めてみてくださいね。間違いがちな保湿ケアについては、『乾燥が治らない3つの誤解!うるおう決め手はセラミド&オイルのシンプルケア』の記事で詳しく紹介しています。


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中根恵美さん

美容室を営む家庭環境事の中、幼少期から美容に興味を抱き15歳で美容に携わる様になる。その後、名古屋を拠点にプロモーションビデオや雑誌、広告のモデルを務め「魅せ方」を独学で学ぶ。現在は本質的な美とは「身・心・姿」全てが関係し合っていると言うホリスティックの考えの元、リンパデトックスエステ、ヨガ、カラーコンサルティングを通してトータル的な『美』を提唱し活動している。

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