肌や髪、ボディなど、全身の乾燥を防いでくれるホホバオイル。手ごろな価格なものが多いことから「使ってみようかな?」と検討している人は多いはず。でも他のオイルに比べて何がどういいのか、デメリットはないのか、などが気になりますよね。ホホバオイルのホントのトコロに迫ります!
ホホバオイルとは
ホホバオイルは乾燥した半砂漠地帯に生える、ホホバの種子から得られるロウ(ワックス)です。主成分はヒトの皮脂にも含まれているワックスエステル。このことから何となく乾燥予防によさそうなことが想像できますね。
ホホバオイルの効果
水が少ない過酷な環境でも生き抜くホホバのオイルには、優れた保湿効果があります。油分が肌表面を覆って水分の蒸発を予防。乾燥による肌荒れを防いだり、肌をなめらかに整えたりする効果があります。
肌への効果以外に使用感や性質など、ホホバオイルならではのメリット・デメリットも押さえておきましょう。
ホホバオイルのメリット
肌への浸透性に優れ、べたつき感がなくさらっとしています。酸化しにくく安定性が高いのも特長です。
ホホバオイルのデメリット
気温7度以下で固体になります。温度が上がれば元に戻りますが、いざというときに「使えない!」のは困りもの。冬場は保管場所に気をつけてくださいね。ただし直射日光が当たる場所は、品質を低下させる恐れがあるので厳禁です。
またホホバオイルの主成分ワックスエステルは皮脂にも含まれますが、皮脂に占める割合は約25%[1]。皮脂の主成分はトリグリセリドという脂肪酸なので、ホホバオイルは皮脂には似た組成ではありません。そのためトリグリセリドが多い植物オイルと比べると、「肌なじみがよくない」と感じるかもしれませんね。
ホホバオイルの使い方を用途別にご紹介
水分の蒸発を防いで保湿効果に優れるホホバオイルは、化粧水や美容液の後に使うのが基本。それ以外にもさまざまな使い方ができるので、ぜひ実践してみてください。
クレンジング
オイルは油性の汚れになじむので、軽いメイクのときならクレンジングとしても使えます。ポイントメイクはあらかじめ落としておきましょう。指の腹を使ってくるくると円を描きながらメイクとなじませ、汚れが浮いてきたらティッシュオフ。その後は洗顔料ですっきりと洗い上げます。
マッサージ
オイルはすべりがよく摩擦を起こしにくいので、洗顔後の肌にマッサージオイルとして活用できます。専用のマッサージクリームと違って、ふきとる必要がないのがメリット。肌がやわらかくなるので、その後につける化粧水や美容液などのなじみがよくなります。
ボディケア
腕や脚は皮脂腺が少ないので、乾燥しやすい部位。ベタつきにくいホホバオイルは、ボディの乾燥予防にもぴったりです。肌に少し水分が残っている状態で使うと、なじみやすくなりますよ。
ヘアケア
乾燥してツヤがない髪にもオイルをプラス。タオルドライしたら髪をコームでとかし、毛先を中心にホホバオイルをなじませます。乾いた髪にスタイリング剤として使うのもおすすめ。ウェットな質感がだせます。
ただしこれらの使い方は、ホホバオイル特有のものではありません。その他の植物オイルでも同じ使い方ができるケースがほとんどなので、目を向けてみましょう。
ホホバオイルと他の植物オイルの違い
ホホバオイルはロウ(ワックス)に分類されますが、その他の植物オイルの多くは「油脂」に分類されます。代表的なものにはオリーブオイルやアルガンオイル、コメヌカオイル、ツバキオイルなどがあげられます。
油脂の特徴は、皮脂の主成分であるトリグリセリド(オレイン酸やリノール酸)などを多く含んでいること。ホホバオイルよりも皮脂に組成が近く、より肌なじみのよさが感じられます。またオレイン酸は、紫外線による乾燥ダメージなどから肌を守る効果も期待できますよ。
どれも似ているようで実はちょっと違う美容オイルの世界。複数のオイルをブレンドしてより皮脂に近づけたオイルもあるんですよ。ホホバオイル以外の美容オイルの種類と効果は、『美容オイルの種類でこんなに違う!種類別・テクスチャーと特徴まとめ』の記事で詳しく紹介しています。
あなたの今にフィットするオイルを見つけてみてくださいね。
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参考文献
[1]一般社団法人化粧品成分検定協会編. 化粧品成分検定公式テキスト. 実業之日本社 2015;43