サラッとした使い心地が魅力のスクワランオイル。知名度の高さと手ごろな価格帯から「初めてのオイル美容」に用いることを検討している人は多いのでは?取り入れやすい美容オイルがいいとはいえ、もちろん効果も気になりますよね。
スクワランオイルの肌への効果や、その他のオイルとは何が違うのかを紹介します。自分の肌に合った美容オイル選びに役立ててくださいね。
スクワランオイルとは?
主にアイザメなどの深海ザメの肝油から抽出される、「スクワレン」からつくられたオイル。スクワレンはもともと、ヒトの皮脂にも含まれるうるおい成分です。スクワレンはそのままでは酸化しやすいため、水素を結合して安定化させたものが「スクワラン」です。
オリーブの果実やコメヌカ、サトウキビなどを原料にした、植物性のスクワランオイルも開発されています。
スクワランオイルの美肌効果
スクワランオイルは、肌のラッピング効果に優れています。肌表面に疑似的な皮脂膜をつくって水分蒸散を防ぎ、肌のうるおいを保って、乾燥や紫外線などの外的刺激に対応。肌表面をなめらかに整える効果もあります。
うるおったツヤ肌に欠かせない皮脂膜は、汗と皮脂が混ざり合ってできる天然の保湿クリーム。しかし20代をピークに皮脂の量が減少するため、肌がカサつき、小ジワやハリの低下、くすみへとつながっていきます。30代になったら、オイルで皮脂を補うケアを取り入れていきたいものですね。
スクワランオイルのメリット
スクワランオイルは酸化しにくく、皮ふ刺激がほとんどないのが特長。100%スクワランの美容オイルとしてだけでなく、乳液やクリームの油性成分としても幅広く使われています。
肌の上をすべるように伸ばせるので、マッサージや面積の広いボディのケアにもおすすめです。
スクワランオイルにデメリットってあるの?
オイルなどの油性成分にはいくつか種類があり、スクワランオイルは「炭化水素」に分類されます。炭化水素とは、炭素(C)と水素(H)だけで構成される化合物のこと。酸素(O)を含まない構造のため、水(H₂O)になじまないというデメリットがあります。
また肌表面に留まる性質があるため、肌を保護できる反面、一度にたくさんつけすぎるとテカリが気になったり、化粧崩れの原因になったりすることもあるので気をつけましょう。
肌表面に留まるスクワランオイルの仲間
ミネラルオイル(石油由来の鉱物油)やワセリンも、炭化水素の仲間です。ワセリンは安全性の高さから、皮ふ科で肌の保護剤として処方されていますよね。いずれも肌表面にピタッと留まって、ラッピング効果を発揮。皮ふに塗っても分解されず、刺激になりにくいのが特長です。
ほかにも美容に役立つオイルとして、植物オイルなどの「油脂」があります。こちらの特徴についても押さえておきましょう。
水にも肌にもよくなじむ植物オイル!
油脂とは植物の果実や種子、動物の体内でつくられる天然の油性成分。オリーブ果実油やツバキ油、ユズ種子油、アルガンオイル、シア脂、馬油などがあります。ヒトの皮脂と組成がよく似ているため、肌表面に留まることなく、内部まで浸透。水になじみやすいのも特徴です。
油脂の中でも植物由来のオイルは、サラリとしてベタつきにくいので、初めての人も使いやすいでしょう。スクワランと同様に水分蒸散を防ぐほか、肌をやわらかくする効果も。しっとり・もっちりとして、奥からにじみ出るような自然なツヤ肌が目指せます。さまざまな栄養素を含むので、エイジングケアにもおすすめです。
オイル選びのポイントを解説!
美肌づくりにオイルを活用するときは、その特徴をきちんと理解することも大切ですね。乾燥を防ぐ効果を重視するなら、肌表面に留まりラッピング効果が高いスクワラン。肌内部の保水力やハリ・ツヤを高めるなど、肌のベースアップを重視するなら、浸透性の高い油脂がおすすめです。
それぞれの特長を一言で表すなら、
- 炭化水素(スクワラン)は「守り」のオイル
- 油脂(植物オイル)は「攻め」のオイル
といえそうですね。
自分の今の肌状態や悩みに合ったオイルは、スクワランか、その他の植物オイルか――。違いを押さえて使い分けて、美肌キープに役立ててみてくださいね。スクワラン以外の美容オイルの種類と効果は、『美容オイルの種類でこんなに違う!種類別・テクスチャーと特徴まとめ』で詳しく紹介しています。